【The Last Of Us(ラストオブアス)】レビュー(プラチナトロフィー獲得後)
このレビューにはネタバレ及び、独断と偏見によるコメント・評価を含みます。
人によっては不快に思う可能性もありますのでご了承ください。
概要
アンチャーテッドシリーズでお馴染みの Naughty Dog(ノーティードッグ)が開発したサバイバルホラーアクションアドベンチャーゲーム。
2013年6月20日にPS3で発売され、2014年8月21日にはPS4でリマスター版が発売。5年後を舞台にした続編となる「The Last Of Us PartⅡ」は2020年6月19日に発売。
ストーリーは40代後半の男性ジョエルと14才の少女エリーのサバイバル劇を描く。
テーマは愛。
始めはお互いにいがみ合っていた2人が次第に信頼関係を築き上げていく。
ちなみにプレイヤーが操作する主人公ジョエルはパンデミックによって荒廃した世界を生き抜くために、ブラックマーケットでの闇取引や人殺しなど悪事に手を染めている。決して善人でもヒーローでもない。
本作の体験版への早期アクセス権が2013年3月12日発売の『God of War: Ascension』に付属された。
ノーティードッグとしては初の18歳以上推奨タイトル。
2014年2月14日に追加エピソード『Left Behind -残されたもの-』が配信された。
エリーがジョエルに出会う前の親友ライリーとのエピソードが描かれている。
ストーリー
ある日突然謎の寄生菌のパンデミックが発生し、世界は荒廃していった。
wikipediaより
パンデミックから20年後、ブラックマーケットでの取引を生業とする主人公ジョエルは、武器取引を巡るトラブルに巻き込まれたことをきっかけに負傷した反乱軍ファイアフライの女リーダー・マーリーンから運び屋の仕事を頼まれる。
その“荷”とはエリーというこの世界を救う鍵をにぎる14歳の少女。
しかし受取先の反乱軍のメンバーは全滅。
ジョエルは相棒も失い荒廃したアメリカを少女と二人で旅をして行く事になる。
行く手には「感染者」の他、生き残るためには手段を選ばない略奪者たちとの戦いが待っていた。
一方で様々な方法で生き残ってきた人々との出会いは彼らの旅に新たな希望と絶望をもたらす。
旅の合間に発生する戦闘はサバイバルそのもの。
人間の文明活動がとまった街は崩壊し水浸しになり緑が生い茂る。残酷であるが美しくもある。
そんな中を絶望的な旅を続けていく二人。
決して正義の味方ではないジョエルは敵に容赦はしない。
自らの身を守り生き延びるには、殺し、奪わなければならない。
エリーも自分の運命を呪いながらも戦い続ける。
ジョエルとエリーは時に反発し合いながらも互いのピンチを助け合い、親子以上の信頼関係を築いていく。
だが旅の終末に待っていたのは過酷な現実だった。
反乱軍の元へと送り届けたが、反乱軍の目的はエリーを使ってワクチンを生成することであり、そのためにエリーは犠牲となって命を落とすということが判明する。
ジョエルはエリーの手術を阻止するために反乱軍の病院を襲撃、マーリーンを射殺してエリーを取り戻す。
二人はあてのない旅へと戻り、物語は幕を下ろす。
システム
アンチャーテッド同様、三人称視点のアクションアドベンチャー。
近接武器、銃器、投擲物を用いて敵と戦う。
敵は「感染者」と「ハンター(人間)」。
アクションアドベンチャーといっても、某サバイバルホラーゲームのように銃をブッパして駆逐していくのではなく、ステルスアクション仕様のため、あまりにも銃に頼りすぎるとあっという間に弾が枯渇する。
本作は物音が非常に重要となっていて、敵は視覚情報だけでなく音を聞きつけて襲ってくる。
中でも「クリッカー」と呼ばれる感染者は視覚は失っているが、聴覚が優れていて少しの物音でも気づかれてしまう。
「聞き耳」というシステムによって、壁越しでも敵の位置や動きを視覚化出来る。
このシステムを有効に使い、レンガや空き瓶でおびき寄せて攻撃したり、完全スルーでやり過ごすことも可能。
体力は自動回復ではなく、回復アイテムが必要。
治療キットや火炎瓶、ナイフなどを拾った素材からクラフトできる。
空き瓶やレンガなどは投げて注意を引くだけでなく、直接ぶつけることで相手を怯ませることが可能。「レンガ最強説」もあったほど。
近接武器には耐久値があり、数回仕様すると壊れてしまう。
サプリメントを使用することでスキルを覚えていくことができる成長要素や、武器をカスタマイズできる要素もある。
操作キャラクターはジョエルがメインだが、途中エリーに変わるパートもある。
ちなみに同行するエリーはプレイヤーの行動を覚えていき、似たような行動をとるようになっている。
クリア後は「NEW GAME+」が追加され、スキルや武器の改造状態等を引き継いで周回することが可能になる
また、オンラインマルチも搭載されていて、発売から6~7年経った今でもPS4のリマスター版ではマッチングするほど人気があった。(PS3版はオンライン終了済)
良かった点・悪かった点
良かった点
・数年経った今でも色褪せないストーリー、演出、グラフィック
・程よいゲームバランス
・ジョエルにもエリーにも感情移入できてしまうシナリオ
・生意気なのに可愛いエリー
・荒廃した世界観は見事
・収集物や会話イベントなどの作り込み
・人間というものの怖さを表現できている
悪かった点
・敵NPCの異常な命中率の高さ
・オンライントロフィーが有る
・入手素材が偏る
感想
初プレイはPS3版発売日(2013年)。ノーティードッグのゲームは本作が初めてでした。
(プラチナトロフィー獲得はその後PS4版でのみ達成)
プロローグでいきなり最愛の娘サラが死んでしまい、感染者たちにボストンの街がみるみるうちに地獄と化していくなかで、あっという間にストーリーに引き込まれて時間を忘れてプレイしていたのを今でも覚えています。
当時は初見プレイでYoutubeに動画をupしながらやってたなぁ。
プレイヤーが操作する主人公ということで、本当は悪人のジョエルがそうでない人に思えてきてしまいます。
感情移入しちゃうから仕方ないとはいえ…。
悪人のジョエルが、エリーと共に過酷な状況を生き抜き、信頼関係を築いていくうちにエリーとサラを重ねるようになって人間らしさを取り戻していく様子もプレイしていて微笑ましい(^^♪
ストーリー展開も途中だれることなく、テスの死やジョエルの旧友との出会い、ストーリー展開も途中だれることなく、テスの死やジョエルの旧友との出会い、ヘンリーとサムの兄弟との出会いなどを通じ、生きることやそれぞれの抱いた思い、絆など考えさせられることがありました。
そして何より、人間が怖い!
物資を奪うため、女性も子供も関係なく人を殺め、自分たちさえよければという暴徒で溢れかえってます。
現実でも、コロナウィルスの騒動で日本人の民度がどれほど低いか露になったので、同じようなことになるでしょうね(´;ω;`)ウゥゥ
いつしかエリーを娘のように思うジョエルと同様、プレイしている私も同じような目線で見守り、助け、微笑ましく会話を聞いたりしていました。
ラストの場面、
人類のためにエリーを犠牲にしてワクチンを作るか
エリーの命を救うか
選択を迫られたジョエルはエリーを救い出します。
この時のジョエルの行動はプレイヤーのほとんどが同調したことでしょう。
ただ、そのために医師を殺し、マーリーンの命すら奪ったジョエル
後味の悪さが残ります。
エンディングでジョエルがサラのことを珍しくエリーに話す中、
「お前ともいい友だちになれたはずだ。」
「きっとものすごく気が合ったと思う」
という言葉にジーンときながら満足の中1週目を終えました。
ステルスを軸に、見つかったり強制戦闘の場面では銃をドンパチ。
感染者には空き瓶やレンガで注意をひいたりおびき寄せて火炎瓶で丸ごと倒す、などアイテムやスルーすることも織り交ぜることで、様々なアプローチができるゲームバランスは非常に良かったです。
ハンター戦は、やたらと命中精度が高い射撃を連発してきてイラっとする場面もありますが、難しすぎて突破出来ないようなところはなく、難しく感じる場面でも数回のリトライで進めることが出来ました。
おそらく、弾が足りない!という人は銃器一辺倒でゴリ押ししようとしているのではないでしょうか。
さすがにゲーム初心者には難易度サバイバルはやや難しく感じるかもしれませんが、本当にゲームほぼ初めての知り合いも難易度サバイバルでクリア出来たので、バランスは上手だと思います。
映画やドラマを見ているような演出や展開で、最後まで楽しくプレイ・プラチナトロフィー獲得出来ました。
本編は…
私的には正直、オンラインマルチはそこまで楽しめなかったので、オンライントロフィーの為に140試合程度強制させられたのはただただ苦痛でしかありませんでした。
続編にはオンライントロフィーは実装しないで!という願いが通じたのかどうかはわかりませんが、続編であるpartⅡにはオンラインマルチモードもオンライントロフィーもありません。(^^)/ヤッター
悪人の中年ジョエルと、何故か抗体を持っているエリーの2人が織り成す絶望の中に見い出す愛情の物語、未プレイの方はぜひ!プレイしてみてはいかがでしょうか。
そして最後にもう一つ
本当に恐ろしいのは感染者でもお化けでもクリーチャーでもありません。
本当に恐ろしいのは人間です。
総評
プラチナトロフィー獲得難易度
★★★☆☆
オンライントロフィーが苦行であることと、周回必須と高難易度クリアも含まれているため、星3つ。
しかもマルチは定期的にやってくる全滅イベントでチャレンジ失敗すると振出しに戻るという鬼仕様のプレッシャーに耐えながらなので精神的にもキツイです。本編トロフィーについては、バグ技が今でも使えるらしいので厳しいと感じる方は使ってみるのもありかもしれません。攻略動画も溢れているので、どうしても進めないときは上手い人のプレイをトレースしてみては。
会話イベント回収は取り返しがつかない場面もあるので、セーブデータを分けておくといざというときに助かると思います。
オススメ度
★★★★★
文句なしの星5つ。
ゲーム性、ストーリー、グラフィック、音楽、雰囲気、どれも高水準のレベルでここまで完成されたゲームもなかなかないと思います。ステルスが苦手な人でも難易度を下げればクリアは出来ると思いますし、ここまで感情移入できるゲームもありません。人の成長、絆、愛が描かれた一方で人の闇、恐ろしさ、醜さも描かれており、クリアしたときにきっとこう思うでしょう。感染者より人間の方が怖いやん!
まだ未プレイの方、動画でしか見たことがない方、人がしているのを見るのと実際自分でプレイするのとでは全然感じ方も感情移入も違うので、ぜひプレイしていただきたいです!
これから先、PS3でもPS4でも歴史に残る名作間違いなしです。
終わりに
続編である「The Last of Us partⅡ」が発売され、ファンや初見の方の間で賛否両論の声が上がっています。
ゲームを始め、エンターテインメントに関しては、人によってそれぞれの受け止め方、考え方があるのでどれが正しいとか悪いとかはないことも当然です。
ただ、中には気になるレビューをちょくちょく目にしたので、この記事を読んでくださっている方には補足をしたいと思います。
一番目にする、ポリコレを意識しすぎているという意見について。
ポリコレとはポリティカル・コレクトネスの略で、性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ為に、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用するというもの。
おそらくこれは、主人公であるエリーとディーナが同性愛者であることや、メインの登場人物にアジア人のジェシーがいたり、ヤーラやレブといった宗教上のしきたりを重んじる民族セラファイトの存在、アビーのように組織の中で男性より上の立場に女性がいることが多かったりと、そのあたりが理由だとは思います。
性別も人種も民族も差別なく、まさにその通りです。
ただ、それは続編のpartⅡに限ったことではありません。
そもそもエリーのバイセクシャルは追加DLC『Left Behind -残されたもの-』で、親友のライリーとのキスシーンを発端に当時の脚本家が「エリーは同性愛の設定で」と公言しています。2になって急にエリーがそうなったとかではありません。
ヘンリーとサムの兄弟のように黒人の人物もストーリー上重要な絡みがありますし、テスもジョエルと同様にたくましく描かれています。
そもそも反乱軍のファイアフライのリーダーは女性のマーリーンですし…
個人的にはpartⅡの序盤でジョエルが死ぬというショッキングな出来事から、「こんなのは望んでいた続編じゃない!」と思い通りにならなかったわがままなユーザーの批判の声から生まれ、そこから拡がったのではないかと推測しますが…。
そういう批判の声も必要なのも事実です。捉え方は様々です。
私のこの補足もあくまで個人的に理由付けをしての意見です。
私が良く思わないのは、自分で言葉の意味も理解してなく、人の言葉に乗っかってただ気に入らなかったから批判してやるという人のコメントが見ていて嫌な気分になるということ。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、そのうちPartⅡのレビュー・感想を記事にした際に書き綴ろうと思います。
長文失礼いたしました。
それでは皆様の良きゲームライフを