【アサシンクリードオデッセイ】レビュー(プラチナトロフィー獲得後)
このレビューにはネタバレを含みます。
詳しい内容を知りたくない方はご遠慮願います。
感想
前作アサシンクリードオリジンズより年代をかなり遡ったシリーズ第2弾。
(管理人は前作オリジンズは未プレイ。アサシンクリードシリーズは1と2、4をクリア済み)
ゲームを始めての第一印象は「ん?これアサシンクリード?」でした。確かにオープンワールド、パルクールでどこでも登れる、暗殺も出来る。なのに何なんだろう、この違和感は。
きっとシリーズファンの方は前作オリジンズでこの違和感を覚えたことでしょう。アサクリやってるのにアサクリやってる感がない。これが正直な最初の感想でした。
しかしそこはさすがUBI、アサシンクリード。
感じていた違和感は次第に薄れ、気付けば次々と現れるクエストライン、だだっ広いワールド中の未発見ロケーションを踏査することに時間を忘れ、夢中になっていました。
仕事が忙しい時期に始めたこともあり、1日のうち限られた時間をコツコツとプレイを重ねてやっと獲得したプラチナトロフィー。恐らく、自分の中でプラチナトロフィー獲得までに最も時間がかかったオフラインゲームかもしれません。
要した時間、110時間!まぁ、これA型の性格上ロケーションマップの「?」を埋めないと気が済まないという理由からマップを埋めていってたので…(;^ω^)
2019年からプラチナトロフィーを意識してゲームをするようになってから、このゲーム結構かかったなぁと思うものでも大体40~50時間くらいなので、そのボリュームも伝わるかと思います。
しかもそれくらいかかるゲームでも、トロフィーにかかる時間の内容としてはアイテムマラソンやパラメーターMAX、収集物回収など作業感たっぷりのトロフィーにかかる時間ですが、アサシンクリードオデッセイに関してはロケーションを埋める、副官をレジェンドNPCで埋めるくらいしか作業としてすることはありませんでした。(オープンワールド自体がお使いゲーとか言わないで)
過去作しかプレイしたことがなく、久しぶりにアサクリシリーズやってみようかなと思う人にとっては、敵の硬さに唖然とすることでしょう。もう腕も足も吹っ飛ぶくらい斧を振り回して攻撃してるのに、敵はピンピンして襲いかかってきます。その割にあっさり死ぬ主人公…。
そしてUBIは動物愛護団体の後ろ盾があるのかと思うくらい強すぎる動物たち。(ファークライシリーズでも激ツヨ)
古代ギリシアが舞台ということで、開発陣もこの世界を再現する為に膨大な資料を元に作ったであろうと思われる作り込みの凄さ。歴史的建造物・ロケーション、人物の名前も登場するので、その中を自由に探索できるだけでも楽しいです。
また、クエストでは自分の決断でその後が多少変わり、友好的に済ませるか力づくで敵対するか、自由度の高さも感じられます。(気に入らないやつにはすぐ剣を抜いてたとか秘密)
同じような人の名前ばかりでよくわからないからと、会話シーンを適当にスキップしながら話を進めていると、いざという決断の時に間違った方を選んで無実の人が死んでしまったとかなんてことになってしまうので、ちゃんと話は聞いておきましょう(反省)
オープンワールドが好き、アサシンクリードシリーズが好き、古代ギリシアとか激アツ!という方にはオススメ出来る1本です!
ストーリー、システム
アサシンクリードオデッセイはスパルタ王レオニダスの血を継ぐ主人公が、古代ギリシア時代を生き、過去の秘密を知り、未来を担う英雄になっていくお話です。
スパルタの王ニコラオスとその妻ミュリーネ。2人の間に生まれた男の子アレクシオスと女の子カサンドラが本作の主人公となります。シリーズ初の主人公選択方式。
ある日、神託官が「スパルタを没落の運命から救うにはこの赤子の命を捧げねばならぬ」と告げ、生まれて間もない妹カサンドラを生贄にすることに。
崖から落とされそうになるカサンドラ。
助けようとアレクシオスが走り出し、何故かタックル!
当然、カサンドラを落とそうとしていた市民もろともカサンドラも崖から海に転落ボチャーン。
人殺しの代償としてアレクシオスを投げ落とせと責められるニコラオス。
スパルタ人として、スパルタの王として、けじめとしてアレクシオスを崖から海にポーン。
生き延びたアレクシオスはスパルタを追放された者として、命からがら海へと逃げ出したのでした。
その後、流れ着いた先でマルコスという人物に出会い、彼の仕事を手伝うことで今日まで生きてこれた…。というところから物語は始まります。(実際には過去の出来事は進行に応じて回想されるので、ここまで知るのはある程度プレイしてからとなりますが)
そして運命のいたずらの如く、とある富豪から請け負った傭兵の仕事が「狼と呼ばれるメガリスの王の首を取れ」というもので、その狼こそが父ニコラオスだと知り、アレクシオスの旅が始まるのです。
船出に合わせてタイトルドーン。「アサシンクリードオデッセイ」
その後の展開は、母と妹を探して三千里。
コスモスの門徒と呼ばれる宇宙規模の思想を持ったやべぇ団体に遭遇し、そこに妹カサンドラが洗脳されて最高指導者デイモスとして牛耳ってるではありませんか。
こんな感じで?ストーリーが進行していきます。
次々と現れるクエストの数。一体どれがメインクエストなのか分からなくなるくらい、あれこれ受注していると膨大に膨れ上がります。
さて、最初に触れた戦闘ですが、とにかく敵が硬い!切っても切っても倒れてくれない!
なので、タイトル通りアサシンプレイでサクサク進めていくとだいぶ楽でした。
が、敵が硬いので隊長クラスになると1撃で暗殺出来ない!結局そこはボコスカ殴り合いに。
全体的にテンポが悪いプレイになりがちでした…。
また、賞金稼ぎシステムがあり、これもテンポを損ねる要因かと。
町中など人目のある所で盗みを働いたり、物資を破壊したり、人を殺したりすると賞金稼ぎゲージが溜まっていき、主人公を探し始めるといういわばグラセフの警察みたいなものです。
とにかく硬い!賞金稼ぎが硬すぎる!
ありがちなのが、
砦で敵に発見される→ボコスカやり合う→賞金稼ぎゲージが溜まる→砦に賞金稼ぎがやって来る→1人vs大多数でボコられて萎える
のパターンが何度もありました。しかも賞金稼ぎ、どんどん増えて2~3人が共闘してくるとかいうドM仕様もそなえていますのでその気が無い方は注意。
この辺りもアビリティを上手く使ったり、ステルスで上手く回避すれば何とでもなるのですが…。面倒くさくなってゴリ押ししようとするとこのパターンによくハマりました。
レベルが上がるごとにアビリティポイントが増え、アビリティに割り振っていくのですが、いつでも振り分けたポイントをリセット出来て割り振り直せるというところは親切設計でポイントが高いと思います。
武器も複数種類があり、リーチの長さやダメージ、振りの速さなど自分に合ったものを選べたり、彫刻といわれる特性を付与出来るのも戦闘スタイルに合わせて設定出来るので、テンポは悪いものの、戦闘自体は途中から楽しくなりました。
会話イベントの選択肢で、こいつは許してやろうとか、こいつは許せないとか、自分の意思を反映できる点はプレイしていてのめり込めるので非常に良かったです。
悪いことしたけど、本当に反省しているから許してやるかといったお情けプレイとか出来ます。
逆に偉そうに言ってくる奴や、反省の色が見えない輩はバッサバッサと裁いていきました。ええ、父親も妹も倒してやりましたよコワイ…
選択肢といえば、このレビュー自体アレクシオスが主人公での話なのですが、女性キャラクターとの会話でハートマークがついた選択肢を選ぶとロマンティックな展開になります。
これ、相手が男でもロマンティックな展開になっちゃう場合もあるんですよね。
男同士で…体を交わし…オエ気持ち悪い
おっさん同士の絡みなんてNo Thank youだよ、こっちは。
これ誰か反対しなかったんですかね、開発の段階で。
クエストについて
序盤こそ、メインクエストを追っていく形ですが話が進むにつれて、様々なクエストが受注できるようになります。
特に私が迷ったのが、1つのクエストに対して複数の子クエストが必要な場合や、コスモスの門徒のようにヒントから目的地を探さねばならない(マップ上に直接クエストの目的地が表示されない)場合など、少し混乱する場合がありました。こればかりはボリュームがボリュームなので仕方ないとは思いますが。
コスモスの門徒のクエストは、まず下っ端の情報を集めてから正体を突き詰めて殺害。下っ端を複数倒してその親玉の正体を突き詰めて殺害。といった流れなので、ヒントを頼りに探すのは楽しくもあり、時間もかかるので人によっては苦痛になるかも。正体を知らなくてもたまたま倒した相手がコスモスの門徒だった、なんてこともちょくちょくありました。
ちなみにコスモスの門徒は全滅させなくてもメインストーリーは進めることが出来ます。
良かった点、悪かった点
良かった点
・舞台が古代ギリシアで有名な建造物・ロケーションを回り冒険が出来る
・戦闘は長引きがちなものの、アビリティや装備品種類や特性で自分好みにカスタマイズ出来る
・ミノタウロス、メデューサなど神話の生き物が登場する
・映像、景色が綺麗でビューポイントのシンクロでそこまでの道のりの苦労が報われる
・選択肢で自分の意志で決断できる
・膨大なボリュームの割に作業感が少ない
・無料で追加されたギリシアのクエストラインだけでもなかなかのボリューム
・ステルス、アサシンプレイが気持ちいい!
悪かった点
・敵が硬く、テンポが悪くなりがち
・賞金稼ぎが次々と湧いてきて、共闘してくる。せめて賞金稼ぎ同士でも攻撃し合えばよかったかな
・主人公が男女選択方式が原因か分からないが、男同士でロマンティックな展開になるのは気持ち悪い
・やっぱりローディングが長い
・コスモスの門徒や槍の強化といったクエストの目的地がもう少し簡単に分かれば作業感はもっとなくなりそう
総評
久々のアサシンクリードシリーズでしたが、最初こそ違和感があり本当に楽しいのかこれ?と半信半疑で序盤プレイしていましたが、いつの間にかのめり込んでいました。これだけのボリュームがありながら、飽きることなくプラチナトロフィー獲得まで出来たのはさすがの一言!スミマセン、正直舐めてました。
これを機に前作オリジンズも買おうかなぁ。オリジンズの方が評価髙いみたいですしね。
ただ、オープンワールドという性質上、クエストは大きく言うとお使いです。
なので、このジャンルが好きではない方には正直あまりお勧めできません…。が、それを差し引いても、この世界観、ストーリーなど良い出来栄えなので、個人的にはもっと早くプレイしとけば良かったです。
賞金稼ぎや、硬い隊長クラスの敵に対してもアビリティや隠密等上手く使えば苦戦することもなく戦えるので、そこは慣れやシステムの理解ですかね。ゴリ押しだとキツイというあたり、ゲームとしては非常に良いバランスだと思います。(多少ゴリ押しもしたいので敵が硬い硬いと文句を言っておりますが…)
オープンワールドに抵抗がなく、古代ギリシア、神話が好き!という方には間違いなくお勧めの1本です。
プラチナトロフィー狙いの方も、そうでない方も、ボリュームは相当なので覚悟しておいてください(笑)
追加DLCも相当なボリュームらしいので、このゲームだけでも冗談抜きで数か月は遊べると思います。
作業感があまりなくプラチナトロフィーを獲れたゲームは久しぶりでした。
※プラチナトロフィー獲得を前提とした感想なので、ただゲームを楽しみたい!やり込むつもり何てない、という方とは感じ方が違うのでご了承下さい。
プラチナトロフィー獲得難易度
★★☆☆☆
2.5よりの2。UBI恒例の苦痛な収集物がなく、技術的にも難しいことはなく時間さえかければ獲得できるのでこの評価です。クエストラインを埋めていくうちに自然と埋まっていきます。
オススメ度
★★★★★
4.5よりの5。不満は若干あるものの、それ以上に壮大なスケールのマップでの冒険は楽しいの一言に尽きます。ゲームとは疑似体験であり、古代ギリシアを冒険し、自分の選択で未来を切り開き、英雄になって生きるということをまさに「体験」出来ます。
名作として、同様にオープンワールドの某スパイダーマンがありますが、あちらで感じていたプラチナトロフィー獲得までの作業感すらオデッセイにはほとんどありませんでした。
プラチナトロフィーを獲得し終えた後は、達成感と同時にこのゲームもこれで終わりかと寂しい気持ちになったのも久しぶりの感覚でした。コスパも非状に高いです。
アサクリシリーズ初めての方も、出戻りの方も、よっぽどジャンルが合わないという限りはオススメの1本です!
価格:4,188円 |